天満宮と牛
神社で祀る神には、国つ神(土着の神々)と天つ神(高天原から来た神々)があります。天つ神“天神”は雷鳴とともに雨を降らせる雷神や農作物の生育にかかせない天候を守る農耕神としても信仰され、天神を祀る神社には、農耕のシンボルや天神の神使である牛の像が置かれておりました。
平安期になると、都で起こった数々の凶事や事象が、無実の罪で亡くなった道真公の怨霊説として広まり、その霊を慰める為、道真公の神号“天満大自在天神”により天満宮が建立されました。その後、道真公を祀る天神信仰が広まるにつれて、本来天神の使いとされる牛と道真公の牛にまつわる数多くの伝承とが結び付いていきました。
勤勉・慈愛・健康の象徴として奉納されてきた臥牛は、「撫で牛」として人々に親しまれております。
本殿
本殿には、平安時代の学者であり、優れた漢詩人でもあった贈太政大臣・菅原道真公を皇城鎮護の神として鎮座、お祀りしております。
随神さま
拝殿には高い教養と優雅な美貌の随神さまが安置され、凛とした面持ちで神社を護っております。
摂社・末社
塩竈神社
- 御祭神
- 源融公みなもととおるこう
- 御神徳
- 安産
源氏物語、光源氏のモデルとされる源融公(822~895)は嵯峨天皇の皇子で、左大臣にまで昇進されました。
陸奥国塩竈の風景を愛され、模して壮麗な作庭を有す六条河原院を建造し、河原左大臣と称されました。
後に六条河原院には融公をご祭神として塩竈宮が創祀、この地には歓喜光寺が創建されました。その後豊臣秀吉公による都市改造で天満天神(後に天満宮)と共に現在の場所へと移りました。
当宮では、安産の神様としてお祀りしております。白太夫神社
- 御祭神
- 渡會春彦わたらいはるひこ
- 御神徳
- 子授け
世継ぎのいない菅原是善は、当時の伊勢神宮外宮神官であった渡會春彦を通じて伊勢神宮に祈願しました。すると、その御神徳により道真公がお生まれになり、そのご縁で渡會春彦は道真公の守役として忠誠をお尽くしになられました。
後に、渡會春彦は若い頃から頭髪が白かったため称されていた「白太夫」という名称より「白太夫社」と称して、道真公を祀るお社に摂社として創祀されるようになりました。日之出稲荷神社
- 御祭神
- 倉稲魂命うかのみたまのみこと
- 御神徳
- 商売繁盛
本来、「稲荷」の語源は「稲生り」からきており、その名のとおり五穀豊穣を守護する神として、倉稲魂命をお祀りしております。現在では、商売繁盛のご利益があるとして信仰されております。
七社之宮
- 八幡神社
- 御祭神
- 応神天皇おうじんてんのう
- 御神徳
- 勝負
- 床浦神社
- 御祭神
- 少彦名命すくなひこなみこと
- 御神徳
- 疱瘡除け・疫病退散
- 竃神社
- 御祭神
- 竈神かまどかみ
(奥津日子命 おくつひこのみこと・奥津比売命 おくつひめのみこと) - 御神徳
- 火よけ
- 市杵島神社
- 御祭神
- 市杵島姫命いちきしまひめのみこと
- 御神徳
- 家内安全
- 熊野神社
- 御祭神
- 伊弉諾命いざなぎのみこと
伊弉冉命いざなみのみこと - 御神徳
- 子孫繁栄
- 恵美須神社
- 御祭神
- 事代主神ことしろぬしのかみ
- 御神徳
- 商売繁盛
- 事比良神社
- 御祭神
- 大物主神おおものぬしのかみ
崇徳天皇すとくてんのう - 御神徳
- 航海・漁業
大願梅
願い紙に願いごとを記し、大願梅の中に収め木栓で封じ、境内の『大願梅の樹』にご奉納、または、お持ち帰りください。ご奉納いただいた大願梅は、月次祭にお焚き上げいたしております。
京の名水 錦の水
境内の地下百尺(三十数米)からは、京の名水のひとつである「錦の水」がこんこんと湧きでております。朝早くから多くの方々が、参拝とともにお水取りに参られます。
定期的な水質検査を実施しておりますが、天然の水でございますので、日々水質の変化はあるかと思います。飲用に使われる際には念のため煮沸をしてからお使いください。