お知らせ

錦天満宮所蔵品の保存修理

錦天満宮はここ数年、四年後の萬燈会に向けての修復事業の一環として所蔵品を保存修理しております。
綺麗に修復完了した絵馬(1点目)は、既に博物館に寄託しております。
明治時代の遷宮行列図絵馬(2点目)が文化財修理所で修繕される為、蔵より大切に搬出される様子を下記の写真でご覧ください。(博物館所蔵済)
今後博物館にて展示される機会がございましたら、お知らせしたいと思います。

博物館に寄託した1点目(修復後)
2点目の絵馬が修理に搬出される様子
修復された2枚目

諸職風俗図

平成29年12月錦天満宮の蔵から17世紀に制作された職人を描いた屏風が発見されました。興味深い点は、店棚と工房を共に描き、揚弓や囲碁などの遊楽場面が描き込まれていることです。
六曲一隻の押絵貼で、向かって右から順に甲冑師(第一扇)、琴師(第二扇)、靭師(第三扇)、弓師(第四師)、錺師(第五扇)表具師(第六扇)が描かれています。
本図の特徴の一つは建物が大きいこと、もう一つは、接客の情景が描かれていることがあげられます。
第一扇は、それらの特徴が良くわかります。

第一扇下部 接客の様子

門を入った所にある座敷に客が坐り、そこに茶を運ぶ女性が描かれています。客の小袖には桜花文、羽織には九曜文があり、その前に煙草盆が置かれ、客は閉じた扇を二本の指の上に載せています。何か投扇のような遊びに興じているのでしょう。このように客の様子を描くのは、店の活動の全体をみせるためだと考えられます。